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2011 年度 実績報告書

ハイスピード陰圧補助機能付微小血管マイクロ吻合器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22659321
研究機関東京大学

研究代表者

牛田 多加志  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50323522)

研究分担者 光嶋 勲  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60101804)
キーワード血管吻合 / マイクロサージャリー / 陰圧 / 負圧 / 吸引 / 器械 / デバイス / 吻合器
研究概要

微小血管吻合の技術は主に組織移植や臓器移植の際の組織の栄養血管を移植側の血管に吻合する際に使用される。組織、臓器の生着の可否はこの細い数ミリ程度の口径の吻合が成功するかどうかに依存するため、マイクロサージャリー分野における微小血管吻合の重要性は高く、失敗したときのリスクは極めて大きい。従来、この組織移植において最も重要な位置を占めるのにもかかわらず、手技的に難しくリスクの高い作業を、器械吻合で行い、安定化させる努力は現在に至るまで連綿と続いているものの、決定的なものはできていない。現在臨床で使用できる唯一の微小血管吻合器は金属異物の針と非吸収性プラスチックを使用するため、適応が限定的であり、手縫い縫合に替わる手段とまではなっていない。
本研究では、従来の吻合器の大きな問題である金属異物を使用せず、さらには、より素早く血管をデバイスに装着させる手段として、陰圧に着目した。本研究のデバイスは陰圧を発生させ、血管壁を半自動的に吸い寄せて、短時間で吻合に適した内膜同士が翻転した状態を作り出す。デバイスは陰圧を伝えるための複雑な内部構造を有するため、正確にデジタルデータから内部構造を具現化できる光造形法で試作した。動物実験はラットの鼠径静脈で行い、吻合の評価は吻合血管に依存する皮弁の壊死の有無、血管の顕微鏡下での吻合の開存を確認することで行い、また、吻合部の血管の組織学的評価を光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡で行った。平成22年は端々吻合用のデバイスを試作し、7例中6例が開存し、原理的な成功を確認した。同実験での問題点として、デバイスを血管の上に安定して固定できなかったことである。平成23年度では、デバイスを安定して血管の上に固定するための周辺機器の開発を行った。また、陰圧の切り替えを電子制御するための機器を作製した。現在、微小血管の端側吻合にも応用するため、デバイスの試作と予備実験を行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] New microvascular anastomotic ring-coupling device using negative pressure2011

    • 著者名/発表者名
      Kazufumi Tachi, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery

      巻: 64 ページ: 1187-1193

    • DOI

      doi:10.1016/j.bjps.2011.04.008

    • 査読あり
  • [学会発表] 陰圧補助機能付き微小血管吻合器の開発-端側吻合の検討2011

    • 著者名/発表者名
      舘一史
    • 学会等名
      第20回日本形成外科基礎学術集会
    • 発表場所
      ハイアットリージェンシー東京(東京都新宿区)
    • 年月日
      2011-10-06
  • [学会発表] 陰圧を利用した微小血管吻合用デバイスの開発研究-微小血管吻合分野における手縫い吻合からの脱却を目指して-2011

    • 著者名/発表者名
      舘一史
    • 学会等名
      東京大学マイクロ・ナノ多機能デバイス研究ネットワーク第3回シンポジウム
    • 発表場所
      新川崎Kスクエア(K2)タウンキャンパス(神奈川県川崎市)
    • 年月日
      2011-07-04
  • [学会発表] NEW MICROVASCULAR ANASTOMOTIC RING COUPLING DEVICE USING NEGATIVE PRESSURE : VACUUM-ASSISTED MICROVASCULAR ANASTOCOUPLER (VAMAC)2011

    • 著者名/発表者名
      舘一史(Kazufumi Tachi)
    • 学会等名
      The 6^<th> Congress of the World Society for Reconstructive Microsurgery
    • 発表場所
      ヘルシンキ(フィンランド)
    • 年月日
      2011-06-30
  • [学会発表] 陰圧を利用した新型微小血管吻合器の開発2011

    • 著者名/発表者名
      舘一史
    • 学会等名
      第50回生体医工学会大会
    • 発表場所
      東京電機大学神田キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2011-04-29
  • [学会発表] 陰圧を利用した新型微小血管吻合器:Vacuum-assisted Microvascular AnastoCouplerの開発2011

    • 著者名/発表者名
      舘一史
    • 学会等名
      第54回日本形成外科学会学術集会
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島県徳島市)
    • 年月日
      2011-04-13

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公開日: 2013-06-26  

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