研究概要 |
細胞内の標的蛋白質の局在や刺激による細胞内移動を可視化する方法の一つとして、緑色蛍光蛋白質(GFP)を目的の標的蛋白質に融合させて細胞に発現させ、その蛍光を蛍光顕微鏡又は共焦点顕微鏡で捉える方法が使われている。しかし、GFPは分子量が大きいため標的蛋白質が定常配置に位置しに<<なること、標的蛋白質の刺激に応答した動きを阻害することがある。それには、レポーター分子の低分子量化が必要である。また、GFPは哺乳動物が持たない異種蛋白質であるために、その轟性や抗体の出現も問題となる。そこで、分子量が小さく、抗体ができないレポーター分子としてビタミンB12のポルフィリン環の蛍光を用いる手法を開発する。 (1)標的蛋白質とビタミンB12(レポーター)をつなぐ結合蛋白質を検索するため、ビタミンB12結合蛋白質を同定した。ビタミンB12が結合したアフィニティカラム(VB12-bounded Sepharose)を作製し、0.2MPhosphate buffer (pH7,5)で調製したラット耳下腺のホモジネートで、このアフィニティカラムを平衡化する。非吸着画分を洗浄後、10% glucoseを含む0.1M Phosphate bufferで溶出し、溶出画分を0.1M Phosphate bufferに対し透析する。必要に応じて、Sephacryl S-200を用いてゲル濾過を行う。アフィニティ溶出画分を二次元電気泳動後、各種抗体を用いたWestern blotting等により、ビタミンB12結合蛋白質を同定した。(2)(1)にて同定されたビタミンB12結合蛋白質の遺伝子のクローニングをしている。(3)ビタミンB12結合蛋白質融合標的蛋白質遺伝子発現用プラスミドベクターを作製した。(4)ビタミンB12結合蛋白質融合標的蛋白質発現用プラスミドベクターの細胞へのトランスフェクションし、今後、レポーターの局在・動態の可視化を行う。
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