細胞内の標的蛋白質の局在や刺激による細胞内移動を可視化して見る方法の一つとして、緑色蛍光蛋白質(GFP)を目的の標的蛋白質に融合させて細胞あるいは個体に発現させて、その蛍光を蛍光顕微鏡あるいは共焦点顕微鏡で捉える方法が、広く使われている。しかし、GFPは分子量が27kDaもあり、標的蛋白質の分子量が小さい時、定常配置に位置しにくくなること、標的蛋白質の刺激に応答した動きを阻害する。それには、レポーター分子の低分子量化が必要不可欠である。また、GFPは哺乳動物が持たない異種蛋白質であるために、個体に発現させた場合、その毒性や抗体の出現も問題となる。そこで、分子量が小さく、抗体ができないレポーター分子としてビタミンB12のポルフィリン環の蛍光を用いる手法を開発することを試みた。
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