研究課題
骨芽細胞と骨細胞は骨組織において神経細胞様にネットワークを形成し、骨への機械刺激やホルモン刺激に応答していると思われる。骨芽細胞や骨細胞の二次元培養と三次元培養が試みられているが、ネットワークの生理機能解明には至っていない。本研究ではGFP及び遺伝子ベースのCa^<2+>濃度指示タンパク質(GCaMP2)を骨細胞に発現させ2光子励起レーザー顕微鏡を骨組織に適用し、最終的には骨芽細胞や骨細胞間のネットワークを細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)の上昇を指標にして解析する。本年度は先ず、マウス骨芽細胞MC3T3-E1を伸縮可能なシリコンチャンバーに播種し、一軸方向へ5%、10%、16%、20%の伸展刺激を負荷した時の[Ca^<2+>]、変化をCa^<2+>蛍光指示薬fura-2を用いて測定した。10%以上の伸展刺激で伸展刺激を負荷していない状態と比較して有意な[Ca^<2+>]_i上昇が認められ、16%以上の伸展刺激で大きな[Ca^<2+>]_i上昇が認められた。細胞外液のCa^<2+>濃度をノミナリーフリーにした状態では[Ca^<2+>]_iの上昇は認められなかったことから、細胞外から細胞内に流入したCa^<2+>が[Ca^<2+>]_iの上昇を担っていることが判明した。年度末にGCaMP2をMC3T3-E1細胞に発現させる最適条件の検討を開始したところで震災に遭い、その結果は得られていない。
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http://www.bsatohoku.ac.jp/contents/c232/c232wakamorim.html