研究課題/領域番号 |
22659335
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
若森 実 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50222401)
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キーワード | パッチクランプ法 / カプサイシン受容体 / TRPV1 / チャネル |
研究概要 |
骨芽細胞と骨細胞は骨組織において神経細胞様にネットワークを形成し、骨への機械刺激やホルモン刺激に応答していると思われる。骨芽細胞や骨細胞の二次元培養と三次元培養が試みられているが、ネットワークの生理機能解明には至っていない。本研究ではGFP及び遺伝子ベースのCa^<2+>濃度指示タンパク質(GCaMP)を培養骨芽細胞様MC3T3細胞に発現させ細胞内Ca^<2+>濃度の上昇を指標にして機械刺激応答性を検討するとともに、Ca^<2+>濃度指示タンパク質の硬組織系での実用化の可能性を検討する。本年度はMC3T3細胞にG-CaMPをコードする遺伝子をリポフェクション法とリン酸カルシウム法で導入する最適条件の検討を行い、前者の方が効率的に遺伝子導入できることを確認した。イオノマイシン(Ca^<2+>イオノフォアー)を投与すると、G-CaMPはCa^<2+>蛍光指示薬fura-2同様に細胞内Ca2+濃度上昇に応答することを確認した。更に、G-CaMPを発現させたMC3T3-E1を伸縮可能なシリコンチャンバーに播種し、一軸方向への伸展刺激を負荷した時の[Ca^<2+>]_i変化を昨年度fura-2を用いて測定した結果と比較した。細胞内Ca2+濃度上昇を記録できるものの、まだ少しシグナルが弱いので、遺伝子導入方法の再検討が必要性であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度初めは、震災の影響で研究が中断したが、その後、盛り返してきた。線虫や哺乳類の心筋細胞以外の骨細胞系でもGCaMPが使えることが判明したことは、大きな進展である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はリポフェクション法やリン酸カルシウム法の他にエレクトロポレーション法でGCaMPを導入する予定である。また、改良型GCaMPも埼玉大学の中井博士と大倉博士から供与頂いている。
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