研究課題
1.次世代シークエンサーによる未分化間葉系幹細胞の遺伝子発現パターンの解析前年度に行った次世代シークエンサーを用いた解析結果をさらに詳細に検討した結果、Aridファミリー転写因子Arid5bが、軟骨細胞の分化に伴って高発現していることが明らかとなった。2.Arid5bの発現様式in situ hybridization解析の結果、Arid5bは、マウス胎児肢芽の軟骨原器に高発現していることが見出された。またリアルタイムPCR解析の結果、Arid5bが軟骨細胞に豊富に発現していることが示された。したがって、軟骨細胞分化過程においてArid5bが重要な役割を果たしていることが示唆された。3.軟骨細胞分化過程におけるArid5bの役割Arid5bを未分化間葉系細胞に過剰発現すると、軟骨細胞への分化が促進された。また、Arid5bは、転写因子Sox9と物理的に結合すること、細胞核内で共局在すること、Sox9の転写活性を促進させることが明らかとなった。したがって、Arid5bは、Sox9と協調的に、未分化間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を促していると考えられた。またArid5bノックアウトマウスを解析した結果、内軟骨性骨化過程におけるArid5bの重要性も確認された。4.Arid5bの分子作用メカニズムArid5bの分子作用メカニズムを検討した結果、Arid5bは、二型コラーゲン遺伝子などの軟骨細胞特異的遺伝子のピストン脱メチル化を制御し、軟骨細胞分化を誘導している可能性が認められた。
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Frontiers in Bioscience
巻: (印刷中)
Mol Biol Cell
巻: 22 ページ: 1300-1311
Bone
巻: 48 ページ: 514-523
PMID:21047569