研究課題
1)脳卒中患者の嚥下障害の発現と舌圧の異常との関連について、国立循環器病センターの入院患者64名を対象に、水嚥下時舌圧波形の異常と最大舌圧の低下を指標に分析し、70%以上の敏感度と特異度をもって嚥下障害の発現を予測できることが明らかとなった。2)大阪府立急性期総合医療センターにおいて脳卒中患者の嚥下障害と舌圧の変化を発症から経時的に評価し、舌圧発現パターンと最大値の改善にともなって嚥下障害が回復することを明らかにした。3)国立病院機構刀根山病院において、筋ジストロフィー患者の舌圧発現様相を評価し、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者と筋強直性ジストロフィー患者に特徴的な舌圧発現パターンが存在し、それらは両疾患に特異的な舌および口蓋の形態と関連していることを明らかにした。4)大阪大学医学部附属病院におけるパーキンソン病患者の嚥下時舌圧を評価し、重症度が高くなるほど舌圧波形の正常パターシを喪失する割合が高くなること、またパーキンソン病患者においては同年代の健常者と比較して、舌圧の最大値、持続時間ともに低下することを明らかにした。以上の結果より、各種神経疾患の嚥下障害の診断・評価において、舌圧測定法は有用である可能性が示唆された。
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