研究課題/領域番号 |
22659353
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研究機関 | 明倫短期大学 |
研究代表者 |
野村 章子 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 教授 (80134948)
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研究分担者 |
河野 正司 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 教授 (50014098)
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859)
飛田 滋 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 准教授 (90323980)
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キーワード | 歯科訪問診療 / 義歯治療 / 歯科技工士 / 長寿社会 / チームアプローチ / 要介護 |
研究概要 |
日本は世界有数の長寿国(平成21年の厚労省統計;平均余命が男性79.6歳、女性86.4歳)であり総人口が数年経つと減少してくるにもかかわらず後期高齢者は増加し、長寿社会が益々進行すると推定されている。そのような社会情勢を踏まえて、すべての要介護者や有病高齢者のために歯科医師の熟練度に左右されない義歯治療レベルを保つ歯科訪問診療体制が必要であると考える。長寿社会、特に、団塊世代の高齢化の前に、歯科技工士が積極的に参画する義歯治療訪問診療体制を確立することが本研究の目的である。 平成23年度の実績 1.歯科技工士が参画する歯科訪問診療体制について、義歯治療を支援するための項目の明確化、訪問時の歯科技工環境と防塵・感染対策、さらには歯科技工士が歯科医師や歯科衛生士と連携する訪問診療体制に関連性の高い資料を収集した。その結果、義歯の製作に対する新しい治療方法の提案に至った。第一は、「要介護高齢者の義歯着脱に関する補助具の製作方法」、第二は「在宅診療における効率的な義歯精密印象採得の試み」である。早急に義歯を装着して口腔機能を回復することが必要な症例が多いことに着目し、安全性を確保しつつ効率的な治療術式を、歯科技工士と協同で考案した。その詳細を国際歯科補綴会議で報告した。 2.歯科訪問診療の実態を調査する目的で、歯科医師1名と歯科技工士9名が介護老人福祉施設を訪問し、要介護度・口腔内状況、義歯の状態、食事状況を調査、分析した。その調査結果から義歯の重要性を確認することができたので、その詳細を日本歯科技工学会で報告し、多くの研究者の評価を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯科技工士が積極的に参画する義歯治療訪問診療をサポートする義歯治療方法を考案できた。さらに、経験年数が異なる複数の歯科技工士が、介護老人福祉施設に入居する要介護高齢者の義歯使用状況と口腔機能の評価に積極的に参画できることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
介護老人福祉施設に入居する要介護高齢者における義歯未使用の実態とその原因を、歯科技工士の観点から探る。さらに、歯科訪問診療において、義歯治療を支援するための項目の明確化、歯科技工環境と防塵・感染対策、歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士の役割分担と連携強化を考え、歯科技工士が積極的に参画する義歯治療訪問診療体制を確立する。
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