研究課題/領域番号 |
22659354
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
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研究分担者 |
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (60281515)
小牧 基浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (30401368)
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キーワード | 再生医療 / 血管新生 / 創傷治癒 / 骨芽細胞 / 印刷技術 |
研究概要 |
本研究の目的は、移植した組織への栄養・酸素供給のための血管構築法の確立である。申請者らはこれまで、印刷技術を用いた血管の体外における二次元パターニング構築に成功し、さらにこれまでの技術のさらなる展開を目指して、細胞の多層化を行うとともに、その多層化細胞に血管を三次元的に導入し、より迅速で確実な再生医療を可能とするものである。昨年度までに、ベタ基板の作製に成功するとともに、このベタ基板を用いて骨芽細胞の骨欠損部への移植、およびその迅速な骨再生に成功した。さらに、このベタ基板に血管内皮細胞をパターニングし、装着し、羊膜に転写することで血管付き骨芽細胞シートを作成することに成功した。また、血管を強固にする目的で、臍帯から間葉系幹細胞を培養、もしくは大網からペリサイトを培養したのち、作製した血管と共培養することでペリサイト付き血管の作製にも成功した。 本年度は、当初の計画通り、昨年度までの技術をもとに動物を用いた組織再建を試みた。方法としては、皮膚直下に磁石を埋め込み、さらに皮膚上に磁石を置き、血流を止めた褥瘡モデルマウスにおける組織再建術を行った。すなわち、褥瘡モデルに羊膜上に細胞を転写し褥瘡の修復過程を調べた。さらに、細胞の上に血管を形成させ、その治癒効果を比較した。結論としては、細胞は多層化し、一定の効果は得られたものの、血流改善までは認められなかった。このことは、用いた動物が修復能力が高いマウスであった可能性があることより、ブタを用いた実験を行うつもりである。一方、歯周病モデルとしての歯槽骨欠損動物においては、歯根膜細胞の転写により、著しい効果が認められたことより、今後、大型動物を含めた動物実験を行い、臨床応用を考えている。
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