上顎洞内の骨造成(サイナスリフト)をおこなう際に骨形成を確認できる材料を開発することが本研究の目的であった。上顎臼歯部頬側の骨窓を開けて、上顎洞粘膜を挙上して、吸収性のプレート(フィクソーブ、タキロン)を上顎洞粘膜下に挿入し、骨窓に固定することで、6ヶ月後に放射線学的に骨形成を観察した。移植材を用いずに上顎洞底挙上をおこないインプラントを同時埋入した10名、平均年齢62.2歳の13部位に埋入した19本のインプラントを放射線学的に検討した。全ての症例において、インプラントの周囲に骨が形成され、上顎洞炎は観察されなかった。骨表面にスペースを作ることで骨が形成される。そこで、装置を用いてウサギ頭部の骨膜挙上をおこなったところ、骨が形成された。さらに、この骨膜挙上装置をシリコン膜で覆ったところ、骨表面に作製したスペースは、全て新生骨で満たされた。我々はこの手法を拡張型GBR(ExpansibleGBR)と命名した。
|