研究課題/領域番号 |
22659362
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
正木 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40221577)
|
研究分担者 |
青井 あつ子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (70547257)
栗原 淳 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10508899)
安井 豊 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80459651)
|
キーワード | 麻薬 / プロドラッグ / ナノバブル / 遺伝子導入 / 鎮痛薬 |
研究概要 |
本研究のもっとも重要な点である、麻薬プロドラッグ開発を東北大学医学系研究科付属創生応用研究センター、ならびに、東北大学大学院薬学研究科医薬製造科学分野の協力のもと、施行したが現在、好ましい結果は得られていない。臨床使用頻度の高い麻薬性鎮痛薬であるフェンタニル、レミフェンタニルで麻薬プロドラッグ生成を試みたが、結果を得れず原因を探索中である。 ナノ・マイクロバブルを利用し、脊髄内に投与した鎮痛剤の鎮痛効果がどのような修飾を受けるのかを検討した。ナノバブルにはリポゾームバブルを用いた。ヤクシュらの方法により脊髄カテーテル挿入、1週後、ブレンナンらの方法によりラット後足切開を加え、術後痛モデルラットの作成を作成した。鎮痛効果は薬剤投与後、赤外線熱刺激試験にて経時的に評価を行った。超短時間性ベーター遮断薬であるエスモロールの投与により、濃度依存的な鎮痛効果が見られたが、その効果時間は一時的なものであった。また、同時に測定した、循環動態変化では心拍数血圧に脊髄内エスモロールの投与は影響を与えなかった。エスモロールの鎮痛効果をナノバブルがどのように修飾するかを調べるため、基礎実験としてナノバブルそのものの鎮痛効果を術後痛モデルラットで検討した。リポソームバブル投与により、疼痛閾値低下効果が見られたため、疼痛反応をあらわさないナノバブル濃度をナノバブルを希釈することで決定した。希釈されたナノバブルを用い、脊髄内エスモロールを術後痛モデルラットに投与したところ、エスモロールの鎮痛効果には何の影響も与えなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノバブルを利用した薬剤投与法、遺伝子導入はならびに予定通りに進行している。成果は論文発表を行った。比較的容易だと考えられていたプロドラッグの作製精製が全くうまくいっていない。原因は探索中であるが、デンドリマー型の合成がアヘンアルカロイドでは困難なおかもしれない。また、震災の影響もあり、施設使用時間設備に修復に時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
デンドリマー型がうまくいかない場合には、その他の形のプロドラッグ作成を考える。 ナノバブルによる神経内薬物投与を超音波を用い、バブル崩壊の頻度を大きくし、多くのキャビテーション波を発生させることにより、より効率的な投与を行う予定である。
|