研究課題/領域番号 |
22659367
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
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研究分担者 |
藤原 直士 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70181419)
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
北川 純一 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50373006)
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キーワード | QX-314 / カプサイシン / 神経因性疼痛 / 下歯槽神経 / 神経切断 / TRPV1チャネル / ラット / 触覚 |
研究概要 |
(方法)ラットを全身麻酔下で下顎骨にあけた小さな穴から下歯槽神経を露出させて切断した。はじめに神経切断後3日目から、オトガイ部皮膚への機械刺激に対する逃避行動の観察により、軽い刺激でも逃避反応を引き起こすAllodyniaを生じさせた神経因性疹痛を発症した群と、それを起こさなかった神経因性疹痛の非発症群とに分類した。それぞれの群においては前年の方法と同様に2、3、4週間ごとにQX-314の麻酔効果について、カプサイシンを併用したQX-314の麻酔効果を検討した。 (結果)4週間にわたり神経因性疹痛を発症しなかった群においては、QX-314拡神経切断前と同じ程度の麻酔作用を発現した。一方、2、3週間にわたり神経因性疹痛を発症しなかった群および3、4週間にわたり神経因性疹痛を発症した群に対するQX-314の麻酔作用はわずかに減弱していたのが観察された。さらに、2週間にわたり神経因性痺痛を発症した群においては、QX-314は麻酔作用を発現しなかった。疹痛を発症しなかったラット群においては、神経切断4週間後のラット群にはQX-314の顕著な麻酔効果が観察された。 (考察)QX-314が麻酔効果を示すためにはTRPV1チャネルが必要である。これらの結果は、QX-314の麻酔作用は神経因性疹痛の病態に依存していることを示唆している。またTRPV1チャネルを主に発現しているC線維は、神経切断後の再生が遅いため、TRPV1チャネルを主に発現するC-線維の再生が緩徐であることが示唆されたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
神経損傷による行動変化は継時的に変化があり、またばらつきが予想以上に多かったために、それらを解析する分時間がかかったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
今までしてきた時間的な変化に合せて、膜電位感受性色素による神経機能への影響を解析し、ニューロバシックペイン治療への利用の可能性を検討する。
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