研究課題/領域番号 |
22659367
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
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研究分担者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
北川 純一 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50373006)
藤原 直士 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70181419)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | QX-314 / カプサイシン / 末梢神経 / ニューロパチー / 知覚 |
研究概要 |
方法:ラットの下歯槽神経を切断した後オトガイ部への機械的触刺激8グラム以下で逃避反応を示すものをニューロパシックペイン群(NP)とした。カプサイシンとQX-314(CAP-QX-314)を切断した側のオトガイ部に注射してその閾値を測定した。また投与・測定した時期別に2,3,4週間後に投与・測定した群をそれぞれ2week-NP群、3week-NP群、4week-NP群の3群に分けた。さらに三叉神経節におけるTRPV1の発現様式を、神経切断後からの時期別に免疫組織学的手法で検討した。 結果:TRPV1受容体を刺激するカプサイシン単独投与は無損傷動物では逃避閾値を低下させたが、CAP-QX314の投与は麻酔作用のため閾値を上昇させた。NP群は、神経切断のため一時的に逃避閾値は上昇するが、その後神経再生により閾値は神経切断前のレベルよりも低くなり、神経障害性疼痛を示した。このときの2week-NP群におけるCAP-QX314投与は、逃避閾値に変化を示さず麻酔作用の発現はほとんどみられなかった。3week-NP、4week-NP群におけるCAP-QX314投与は、神経切断から時間経過が長いほどQX314の麻酔作用の発現が観察されたが、無損傷動物に比べてその効果は低かった。 免疫組織学的には、神経切断により神経障害性疼痛を発症した場合(とりわけ切断から早い時期)、C線維と考えられる細い神経線維においてTRPV1の発現数が減少していた。時間経過するに従って、TRPV1発現数は増加したが無損傷と比べると少なかった。 結論:カプサイシン併用により感覚神経だけを麻酔できるとされているQX-314は、神経損傷を起因とする神経障害性疼痛には充分な麻酔効果を発現しないことが示唆された。つまり、QX-314の使用方法については、痛みの原因のバックグラウンドを充分考慮する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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