研究課題/領域番号 |
22659368
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三島 克章 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60304317)
|
研究分担者 |
松村 達志 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (70432648)
森谷 徳文 岡山大学, 岡山大学病院, 医員 (60467751)
|
キーワード | 口唇口蓋裂患者 / マルチプル・ベースライン・ステレオ法 / 相同モデル / 音響解析 / 摂動解析 / 非線形力学解析 / リアプノフ数 |
研究概要 |
口唇口蓋裂患者の顎顔面形態と口腔機能を総合にスクリーニングすることが可能な診断システムの構築を目的とする研究である。本年度は、相同モデル作成までのプロセスを完成させることと、口唇口蓋裂患者の音響学的特徴を抽出する方法を探索することを計画した。 顔面に赤外線パターン光を照射した状態で、3台の赤外線カメラと1台のカラーカメラから、口唇の各種運動の画像をパーソナル・コンピュータにキャプチャーし、マルチプル・ベースライン・ステレオ法を応用して距離画像を作成する。この距離画像を用いて、口唇周囲の特徴点とそれをベジェ曲線にて結ぶことにより定義される複数の領域に分割する。さらに、領域ごとにグリッド分割し、グリッドの交点を求める。この三次元情報に対して、口角の幅にて正規化したうえで相同モデルとする方法を開発した。健常ボランティアと口唇口蓋裂患者に対して、母音の発音、口唇突出、口角牽引の動き、開閉口運動のデータを収集した。上記の方法で距離画像の作成、および相同モデルの作成を行った。 当院言語治療室において、単一指向性マイクロフォンを通して、44KHz、16bitのサンプリングレートにて、ポータブルレコーダに音声を記録する。健常ボランティアと口唇口蓋裂患者の音声データを収集した。音響解析として、線形解析では、フォルマント解析、シマ・ジッタ・SNR等を算出し、一方で、非線形力学解析としては、リアプノブ数、コロモゴロフ指数、フラクタル次元等を算出し、両者の関連性を検討し、臨床において有効なパラメータを探索した。発話母音から算出したリアプノフ数に、健常者と口蓋裂患者間の差を見出すことができた。
|