レンチウイルスによる細胞への外来基質取り込み試験 歯根膜細胞およびHEK293細胞に新しい細胞トランスフェクション法であるレンチウイルス法を使って、GFPタンパク発現ベクターを遺伝子導入し、トランスフェクション法の効率を検討した。導入効率の解析には、経日的にレーザー蛍光顕微鏡を用いて生細胞の状態でGFP陽性細胞数を測定した。その結果、細胞の種類により導入効率が異なっており、HEK293細胞においては、非常に高い効率での外来基質の導入が示された。一方、歯根膜細胞においては、導入効率は非常に低いことが明らかとなった。 外来基質取り込み細胞の細胞分化機能解析 外来基質であるGFPを細胞内に取り込ませた細胞の生存率については、培養皿に付着したGFP陽性細胞を蛍光顕微鏡にて観察することにより判定した。さらに、付着している細胞を回収しトリパンブルー染色により、生細胞、死細胞数を測定した。また、外来基質の溶媒となるDMSOの細胞分化過程における細胞障害性を解析するために、歯根膜細胞をDMSOを添加した石灰化誘導培地(50 mM β-glycelophosphata、10μg/ml ascorbic acid、10%FCS含有α-MEM培地)にて硬組織形成細胞へと分化誘導したところ、その細胞分化過程には全く影響を及ぼさないことが明らかとなった。 マウス実験的歯周炎モデルの検討 歯周組織再生モデル構築のため、野生型C57/B6マウスの口腔内へPorphyromonas gingivalisを3日ごとに投与することで、実験的歯周炎を惹起し、歯周組織の破壊を誘導した。その結果については、現在、解析中である。
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