研究課題/領域番号 |
22659380
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄司 憲明 東北大学, 病院, 講師 (70250800)
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研究分担者 |
杉本 是明 東北福祉大学, 総合福祉学部, 教授 (30361158)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
小嶋 郁穂 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80447169)
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キーワード | 唾液由来鎮痛物質 / 慢性痛 / 痛みストレスマーカー / シアロルフィン / オピオルフィン |
研究概要 |
最近、非定型歯痛、舌痛症および顎関節症などの慢性痛患者は増加傾向にあり社会問題となっている。しかしながら、慢性痛に対する治療法は確立されておらず、診断および治療法の開発は急務であり責務である。近年、パスツール研究所の研究員により、ラット唾液からモルヒネの約3~6倍の鎮痛効果があるシアロルフィンが発見された。さらに、2006年11月、ヒト唾液内からシアロルフィンと同様の鎮痛作用を持つオピオルフィンが発見された。しかしながら、いまだこれら唾液由来の鎮痛物質が慢性痛にどのような効果をもたらすかについては明らかにされていない。また、これらの鎮痛効果の評価はラットの行動薬理学的評価であり、疼痛そのものを評価していない等の問題があるため、シアロルフィンおよびオピオルフィンを臨床に応用するためには、鎮痛効果の判定(定量)が不可欠である。そこで本研究では、我々が痛みストレスマーカーになることを発見した視床下部CRH(Corticotropin Releasing Hormone)遺伝子、下垂体POMC(proopiomelanocortin)遺伝子(以上、ストレス関連遺伝子)、三叉神経節P2X4レセプター遺伝子(慢性疼痛原因遺伝子)を指標としてシアロルフィンとオピオルフィンの鎮痛効果を定量的に評価することを目的とした。 平成22年度は、慢性痛モデル作製を重点的に行った。すなわち、ラットの三叉神経第II枝を露出後、Chromic gutにて結紮した神経結紮モデル(CCI:Chronic constriction Injury)とラットの三叉神経第III枝を露出後、切断し神経切断モデルの閾値の変化を結紮したモデルを用い、三叉神経第II枝領域の逃避閾値をタッチテストフィラメント(Von Frey刺激測定器)で評価した。その結果、結紮および切断後3日以降に有意な閾値低下が確認された。
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