研究課題/領域番号 |
22659391
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
坂本 雅代 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (80290360)
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研究分担者 |
戸田 由美子 高知大学, 教育研究部・医療学系, 准教授 (60325339)
齋藤 美和 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (50403902)
岡田 久子 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (00553158)
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キーワード | へき地 / 診療所 / 看護技術 |
研究概要 |
本研究は、へき地診療所で働く看護者へのよりよい看護実践のための指針となる看護技術の構築を行うことを目的としており、昨年は、診療所で実践している看護技術の聞き取り調査を行った。そして、看護技術の特徴から身の回りの世話に関する技術、診療の補助に関する技術、往診・訪問に関する技術、緊急対応の技術など、7つの看護技術のカテゴリを見出し、それをもとにアンケート用紙を作成した。 本年度は、そのアンケート用紙を、全国のへき地診療所の看護者を対象に、診療所で必要な看護技術の実施頻度や重要度、学習上の課題などの調査を行い、配布数710部に対し回収数222部を得た。調査結果は、看護技術の実施頻度として、無床診療所・有床診療所の形態に関わらず、診療の補助に関する技術の割合が多くみられた。この看護技術は、周囲に医療機関がない診療所が、地域の人々の健康回復に向けた診断・治療の場であることから、その補助を行う上で多く用いられていると考える。また、看護技術の重要度では、緊急対応の技術であり、これは、実施頻度は多くはないが、医師不在時等に人々の生命を守る上で、不可欠となる重要な看護技術である。看護実践上の課題では、取り巻く環境や看護技術への戸惑いがみられ、これはへき地診療所における支援が得られにくいことや、限られた技術を反映した状況である。 本研究から看護の概要をまとめると、へき地診療所で働く看護者にとっての看護技術は、地域の生活者の健康の維持・回復、看取りへの支援を目標として、緊急時に生命を守り、人間関係をもとに困りごとへの支えとなる共通な看護技術を基盤とし、限られた資源を工夫・活用し日常生活を整える技術、診察や多様な診断・治療への効果的な補助を、地域や関連職種と相互に持てる力を活用しながら、状況を見極め、創意工夫による実践をする能力が必要となり、これらを指針として提示することができる。
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