研究課題/領域番号 |
22659400
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿部 まゆみ 名古屋大学, 医学部, 特任講師 (80467323)
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研究分担者 |
前川 厚子 名古屋大学, 医学部, 教授 (20314023)
安藤 詳子 名古屋大学, 医学部, 教授 (60212669)
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キーワード | がんサバイバー / 緩和デイケア / ライフトピアサロン / エンパワーメント / 緩和デイケア人材育成 / 緩和デイケア / QOL / クリエイティブセラピー |
研究概要 |
わが国では、がん患者の在宅移行強化策の下に在宅緩和ケア導入が必須となっている。本研究の目的は全国看護系大学と東海地区がんプロフェッショナル養成プラン連携大学におけるがんサバイバーを支援する緩和デイケアのニーズとデマンドを把握し、新たな拠点形成を行い、キャンパス型緩和ケアサロンプログラムを普及させることとした。研究1 H22年度に全国専門看護師教育課程153コースに対して緩和デイケアアンケート調査を行った(回答率72%)。(1)地域貢献の取組みでが「ある」は32%、「ない」は68%であった。(2)キャンパス型「緩和デイケア」への肯定的な意見が69%(「よい取り組みだと思う、意義があると思う」や「詳しい情報を知りたい」)であった。(3)緩和デイケアの認知度は74%であり、必要性が確認された。(4)現時点では、大学キャンパス内で緩和デイケア開設にはいくつかの困難点がある。その理由は、「がん看護担当教員数は2~3人で、運営できる人材がいない」が最も多く、「緩和デイケアを運営費の保証がない」「スペースの確保ができない」であった。(5)がんプロ関連大学での取組みはなく、がん診療連携拠点病院1ヶ所、ピアサポートシステム導入病院が8ヶ所であった。 研究2 H22~23年度通算4回のがんサバイバー支援研修を実施し、看護師、医師、薬剤師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーなど延べ226名が参加した。受講動機は、(1)キャンパス型緩和デイケア立ち上げへの関心、(2)地域におけるがん患者サロン運営強化、(3)在宅医療におけるサバイバー支援体制強化であった。研修は多職種協働によるがん患者支援技法の開発、援助的コミュニケーション演習、クリエイティブセラピーにより高い評価が得られた。サバイバーの療養時期や医療的ニーズを踏まえながら多様な価値観を支え、QOLの向上を支援するには、高等医育機関と医療福祉関係者の連携と継続学習の必要性が確認された。
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