研究課題/領域番号 |
22659406
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
松本 睦子 広島国際大学, 看護学部, 准教授 (90263706)
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研究分担者 |
俵 由美子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (00320060)
濱井 和子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (80461325)
島谷 智彦 広島国際大学, 看護学部, 教授 (80325191)
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キーワード | 周手術期看護学 / リラクゼーション / 表情 / 交感神経活動 / 副交感神経活動 |
研究概要 |
術後急性期患者のストレス緩和に向けた効果的かつ安全なリラクゼーション介入方法の提案と、その効果を検証するため、本年度は、術後急性期患者30名を対象として、(1)看護師が笑顔で介入した場面と(2)無表情で介入した場面で、対象者のリラクゼーション効果に差があるかどうかについて調べた。リラクゼーション指標は、昨年度の健常者同様、交感/副交感神経活動、唾液α-アミラーゼ活性、眉部の筋電図変化、VTRによる表情観察を用い、データ収集した。 1)対象者の選定:自発開眼により視線を合わせることが可能な術後患者とし、神経-内分泌反応が活性化している術後1-3日目の患者を対象とした。術式は問わず、データ収集期間内に複数回、別の手術を受けた同一患者も含んだ。 2)シナリオによる介入とデータ収集:急性期看護において最も頻繁に行なわれている術後のバイタルサイン(体温、脈拍、呼吸、血圧、経皮的酸素飽和度)測定場面を取り上げた。看護師の介入は、(1)笑顔で対象者と目を合わせ手術終了を労い、患者の笑みを引き出すよう関わる(対象者が笑わなくてもよい)、(2)無表情で対象者と目を合わせず手術終了を労い、対象者以外に視線をおき関わる、とした。実験は、1対象者に対し介入(1)(2)の両方をランダムに実施した。実験プロトコールは、安静5分→介入5分→終了後安静5分とし、HRV(Heart Rate Variability)計測器を用いて、その間の交感/副交感神経活動、平均心拍数、平均呼吸数の連続データを得た。現在、看護師の表情や関わりの違いで対象者のリラクゼーション指標に差があるかどうかを分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の応募時に計画していた通り、平成22年度はプレテストによる実験プロトコールの確立と健常者の実験・データ分析を行うことができ、平成23年度は術後急性期患者を対象にした実験が終了し、データ分析中である。健常者の成果については平成24年度に開催される学会で発表予定であり、進展状況は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの実験データ分析の結果、健常者のデータに比べ、術後急性期患者のデータは全体的にばらつきが大きい印象がある。患者データの分析は途中段階であるため、今後さらに分析を続けていくが、特にリラクゼーション指標である副交感神経活動や唾液α-アミラーゼ活性値については、手術や麻酔の影響の有無の検証、および同一対象者におけるデータの共通性の有無に注目して検討していく予定である。
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