【目的】新生児集中治療室(NICU)内において、早産児が日常生活で聞いている音刺激の音圧レベル(とくに「平均音圧レベル」、「時間率レベル」、「最大レベル」等)ならびに「周波数」の物理学的指標を用いて測定し、音の特性を明らかにする。 【研究方法】NICU内に発生している音をサウンドレコーディング機能付高機能積分形騒音計で録音し、発生源を把握するためにビデオ撮影した。録音されてきた音源(以下、データと称す)は、Oscope(小野測器)を用いて、全体の「音圧レベル[dB]」の他に、特徴的な振幅を認めた音源は切り取り(以下、場面と称す)、周波数解析を実施した。 【結果・考察】患児未収用(医療機器なし)下で音を測定し、、クベース内:閉窓時・開窓時・クベース外の順で、「平均音圧レベル」は44.00、45.91、54.97[dBA]で、「最大レベル」は44.37、50.17、77.06[dBA]であった。開窓することで、「単発騒音暴露レベル」と「L01」が急激に上昇し、クベース外においては全般的に上昇した。また、日勤帯に測定したクベース外の音56データ(平均218.72±280.33[s]、総測定時間4h 18m 49s )にのぼる409場面においても周波数解析を行った。「平均音圧レベル」は51.39±10.16[dBA]、「ピーク周波数レベル」の平均は1.07 [Hz](範囲:0.05~5.38[Hz])で、その際の「ピーク音圧レベル」は43.45 [dB](範囲:20.75~59.46 [dB])であった。よって、クベース外の音圧レベルは推奨値より高かった。また、1 [kHz]未満の音を胎内で聴取していた児は、空気が流れる音等の低周波数群から、医療機器のアラーム音等の高周波数群ものにまでわたり、非常に広範囲であることが分かった。クベース内の音の周波数と新生児の反応との関連は検証中である。
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