研究課題/領域番号 |
22659422
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川原 礼子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40272075)
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研究分担者 |
齋藤 美華 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20305345)
細川 満子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (20315542)
大槻 久美 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (80546341)
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キーワード | 訪問看護 / 医行為 / キュア / ケア / 認識 / 排泄コントロール / 症状コントロール |
研究概要 |
H23年度は、全国から回答のあった質問紙を集計し、また、記載されている内容について質的に分析した。その結果、看護師独自の判断で行えると認識している医行為については、食への支援に関すること、排便コントロール、排尿コントロール、症状コントロール、褥瘡ケア、および、看取りの際の呼吸停止確認等であった。申請者らのこれまでの調査結果とほぼ同じ項目について、看護師独自の判断で行えると認識していたことが明らかになった。そのように考える理由について内容分析したが、それは「速やかに苦痛を軽減する有効な方法である」、「対処方法を実行できる要素が揃っている」「利用者の状態悪化のリスクを少なくすることができる」「病院受診が困難な状況であった」などの内容となっており、日常的に医師よりも時間をかけて対象者に接しているがゆえの看護師のケアに対する自信と考えられた。とくに回答数の多かった排便コントロール、排尿コントロール、症状コントロール、および褥瘡ケアにいては、老年医学会地方会で報告した。 また、H23年度は第三段階調査を始めて本研究を発展させた。すなわち、A市の訪問看護ステーション勤務の看護師に医行為を独自の判断で実施した場面の提供を依頼した。本研究の趣旨に賛同して協力の意向を示した訪問看護師に、その判断根拠についてインタビューし、さらにはその事例の主治医に対して看護師の判断の妥当性についてインタビューする研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H23年度の研究企画については、調査結果の質的分析の妥当性を検証するにあたり、第三者的な立場での専門家が少ないために、探すのに予定より時間を要した。また、研究の打ち合わせについての日程調整に関しても多くの時間が費やされた。しかし、研究を次の段階に進めていくためには割愛できないプロセスであった。 また、第二段階調査では、対象の訪問看護師と医師が医療・ケア現場で多忙を極め、協力の意向を示すのに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究については、地域での訪問看護ステーションの看護師へ事例提供を依頼して、その主治医に対しても研究協力を依頼し、ペアでインタビューして、医行為に対する判断の現状や妥当性および課題について検討する研究を続行する。 また、これまでの結果についても精力的に看護系および医学系の学術的活動を行う予定である。
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