研究概要 |
乳幼児期の言語獲得機序については未解明な課題が多い。双生児の場合、生まれてから常に一緒にいることから2人の間のみで通じる独自の言語(Twin Language)を作り日本語の習得に障害が生じることがある。本研究は双子等の多胎児を産み育てる家庭環境要因の言語獲得への影響を詳細に検討した。研究成果については第82回日本衛生学会学術総会のシンポジウム「双子・三つ子を取り巻く育児環境と課題」の中で公表した。また本研究では双生児の体内環境の影響について分析を実施し2つの論文「Fetal, Perinatal and Infant Death Rates, Concordance Rate and Prevalence for Hemorrage to Co-twin in Japan」、「Deaths from Twin-twin Transfusion Symdrom in Japan 1995-2008」として分析結果を公表した。更に出産時の危険性の高い双生児出産のリスクファクターに関連して双生児の乳児死亡率を分析して論文「Infant Mortality in Singletons and Twins According to Risk Factor, 1999-2008」として発表した。次に言語獲得や言語障害にも関連すると考えられる口腔内の行動学的課題として双生児の夜間睡眠中の歯ぎしり行動について歯科学的調査を日本最大の双生児の母親互助組織であるツインマザースクラブの会員の協力を得て特に家庭訪問を中心に実施し研究結果を国際学会"The 14th Scientific Meeting The Asian Academy of Craniomandibular"にて発表した。更に研究成果は母子保健事業団発行の「双子の子育て:多胎児の赤ちゃんとその家族のために」に記述された。
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