研究課題/領域番号 |
22659436
|
研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
西川 まり子 広島国際大学, 看護学部, 准教授 (80412344)
|
キーワード | 公衆衛生看護学 / 国際看護 / 外国人旅行者 / 心配要因 / アニメDVD |
研究概要 |
具体的内容 1.日本の医療施設受診に伴う外国人、日本人看護師双方の不安要因について、2011年度の調査を統計ソフトJMP6.03とText Mining Studio4.0で分析比較した。その結果、看護師の内、約93%が外国人のケアの経験があり不安が非常に強い。最も心配の大きい3項目は外国人旅行者、看護師とも言葉、支払い、インフォームドコンセントで、外国人と医療者の関係や、病院内の案内も心配されていた。日本の看護師の多くが心配しているライフスタイルの違いは、外国人にとって心配は低く、反対に感染症の心配は外国人に高かった。この結果を2011年3月、マレーシアのPublic Health Nursfing学会で発表した。さらに2011年5月にICNマルタ学会、2012年3月にイギリス主催のInternational Online Medical Conferenceで発表し、質問、意見や助言を得た。 2.学会発表での質問や助言をもとに、現在アニメ英語DVD開発に向けて、物品を購入し、DVD試作品の開発中。さらにその効果を図るために、WebによるRCT(無作為ランダム調査)プログラム開発中である。 3.アニメDVDとWebによるRCT(無作為ランダム調査)プログラム開発が終了後、調査を開始する。 意義 2011年度の調査結果分析により、年間約一千万人に及ぶ日本への外国人旅行者と看護師の、受診、入院時の心配要因を標本集団から明らかにした。その結果を広く海外で発表し、質問や助言を得て、アニメDVD開発やその介入による効果を検証するWebプログラム開発に役立てることができた。 重要性 本研究の結果を、今後の外国人と看護師両方の心配要因の軽減と支援のための多言語アニメDVD開発に役立てることができる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)2011年3月の東日本大震災により、科研費予算使用額が当初、不確実であった。そのため、(2)アニメDVD開発用の物品購入が遅れたため、(3)当初の計画より試作品作成の遅れが生じた。(4)その結果、このDVDを使用したRCT調査が遅れている。(5)現在、徐々に計画を取り戻している状態である。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は外国人の日本の病院受診における不安要因の軽減を目的にWebを活用した自作アニメDVD情報提供とその効果をRCTで調査する。まず(1)昨年度に引き続き、情報提供用のアニメDVDの試作開発と(2)情報学会に参加しながら、Web上でのRCT調査研究用プログラムの構築を終了する。(3)Web上でのアニメDVD情報提供を行う。(4)調査は2000人を目標に、無作為でランダムに2つのグループに分かれるようにし、1000人には既存の文字ベースの情報を提供し、別の1000人には本研究で開発される英語アニメDVDの情報を提供する。(5)目標である2000人の外国人に達した時点で調査は終了とする。(6)この双方へ情報提供される前後の基本情報を含めた不安要因を調査する。(7)分析にはJMPとText Mining Studioの英語版を使用する。(8)この結果を学会で発表する。
|