研究課題
本研究では、情報通信・バイオ・ナノテクノロジーの3分野を融合した「分子通信」という新しいICTパラダイムを確立することを最終目標としている。分子通信とは、生体内における通信を模倣した生体分子や生化学反応に基づく通信技術であり、電磁波を利用できない生物マシン間の通信や、生体親和性を有する新しい通信システムに適用できると期待されている。本研究では、(1) 通信構成要素の設計、(2) システム化(構成要素の統合)、(3) 工学的応用の考察、を行う。本年度は,分子増幅機の設計と試作を行った.分子増幅機の設計においては,分子の増幅伝播モデルを開発し,シミュレーション実験によって分子伝播距離を最大化する条件を同定した.更に,同定した条件を実験的に検証した.実験では,上皮性細胞における分子の反応拡散現象を利用し,信号の伝播距離が従来比5倍になることを示した.
2: おおむね順調に進展している
2年度に目標としていた分子増幅器の設計と試作を完了できた.
次年度は,構成要素を統合するシステム化、および,工学的応用について考察する予定である.
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IEEE Transactions on Systems, Man, and Cybernetics: Part C
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Nano Communication Networks
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