(1)柔らかいタッチパネルのコンパクトな構成法の検討 前年度に実装した「透明かつ柔らかい素材を操作面とした柔らかいタッチパネル」をモバイル端末向けのタッチパネルとするための構成法を探った。対象としてスレート端末向けの大きさのタッチパネルとし、その上に「透明かつ柔らかい素材を操作面とした柔らかいタッチパネル」を載せることを想定した機構を、アクリルパネルを2枚使用して作成した。この機構の特徴は2枚のアクリルパネル間の光の屈折を活かし、タッチパネル面への接触をその周囲からカメラで撮像できる点にある。 (2)ソフトタッチインタラクションの設計・試作 前年度に引き続き、抽出した接触領域の形状の特徴量を求めて、これらをパラメータとして各種操作の検出及び識別を行うアルゴリズムを作成した。また、アルゴリズムの作成と併せて、得られた特徴量そのままの低レベル情報だけでなく、高レベルの情報(イベント)としても扱える基本ソフトウェアを同時に構築した。具体的には押し込み操作、捻り操作等の検出がその押し込み量、回転量とともに検出可能となっている。また、被験者実験に用いるためのアプリケーションも作成した。 (3)実時間操作音検出機構の開発 前年度に引き続き、市販のタッチパネルに複数個の超小型マイクを取り付け、それらから得られる波形を解析することを試みた。本年度では特にリアルタイムに操作音の解析を行うためのアルゴリズムとして、サポートベクターマシンによる解析、スペクトル重心に基づく解析を試みた。
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