多様な操作を可能とするタッチパネルを開発し、また既存のタッチパネルに関する様々な調査及び開発を行った。本年度の主たる成果を示す。 1)柔らかい素材を用いたタッチパネルの開発を行い、またその柔らかさを活用したタッチパネルの新しい操作手法であるソフトタッチインタラクション(プッシュ操作、スラスト操作、ツイスト操作)、及びそれらの応用を示した。 2)スマートフォン等の、タッチパネルを入力デバイスとして有する携帯情報端末での操作特性の基礎的な調査として、どの程度の操作を機器を見ずに行うことが可能であるのか、調査実験を行った。また、その結果から、操作性能を機器を改造することなく向上することが可能な機構を開発した。更に、機器を見ることなく入力を行えるようなかな文字入力手法を開発した。本手法は、使用者が前方に注視した状態で歩行しながらメモ取りを行うことを可能とする。そのため、本手法は、工場における機器監視時のメモ取り、大規模災害時の環境状況入力等に威力を発揮する。 3)上面がマルチタッチのタッチパネルとなっているマルチタッチテーブルトップにおいて、複数の使用者が任意の位置において各々任意にメニュー操作を行うことが可能であるような操作手法を開発した。複数人での協調作業において、従来型のメニューよりも効率的なものとして用いることが可能である。 4)発展的研究として、キーボードにマイクを接着することにより、キーボード面をなでる操作を実時間にて検出することが可能であることが分かった。この知見を活かし、既存のキーボードをタッチパネルのような操作面として活用したジェスチャ入力を実現した。本技術は多様なキーボードショートカットを実現するのに用いることが可能である。
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