研究課題
若手研究(A)
22年度はグラフ構造をもったデータに対する予測モデル化についての基礎的な方法論の確立に注力するとともに、さまざまな分野においてグラフ構造解析法の応用を行った。まずは、グラフ、あるいはその等価な表現である行列構造をもったデータの予測問題に取り組んだ。多くの実グラフデータは数学的には低ランク性と呼ばれる性質をもっており、この性質を利用することによって、少ないデータから高精度で、かつ非常に効率よく計算できるアルゴリズムを開発した。その成果は機械学習・データマイニング分野のトップ会議であるPKDD、ICML等をはじめとする様々な国際会議、ジャーナル誌上において発表された。一方、グラフの部分クラスである木構造をもったデータに対し、その構造の特殊性を利用して、より高速、高精度で解析を行う手法も開発した。データ同志の類似度の定義とその効率的な計算は機械学習手法における基本であるが、我々は木同志の類似度を含まれる縦方向の部分構造によって定義し、これを効率よく計算できる方法を開発した。応用面でも、創薬分野、バイオ分野へのグラフ予測法を適用し、各分野における主要ジャーナルにおいて発表された。特に、情報処理学会バイオ情報学研究会で発表された複数生物種における生体ネットワークの同時予測法についての発表は情報処理学会山下記念研究賞を受賞するなど高い評価を受けた。加えて、アウトリーチ活動として、グラフ構造データの解析手法についての解説記事や書籍の2章分を執筆するなど、グラフ構造データ解析の啓蒙や研究成果のアピールも精力的に行った。
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