研究課題
本研究では、CCG等の形式文法理論において意味表示の記述に型付きラムダ計算を用いることに着目し、同じく型付きラムダ計算を用いるプログラミング意味論の手法であるモナド(monad)を用いることで、自然言語の文脈・談話情報を統一的な枠組みで記述することを目指している。2013年度は最終年度であり、2012年度の実績報告書にも記したが、研究項目としては 1) マーティン・レフ型理論において限定継続を導入した体系を構築し、2) Bekki and Asai (2010)による継続モナドを用いたフォーカス・逆スコープの研究を、この体系において再構成する、というものであった。現時点(2014年5月)では、マーティン・レフ型理論に限定継続を導入する研究は部分的な成功しか収めていないが、メタラムダ計算の研究から引き継がれた諸言語現象の分析は、「限定継続を用いたフォーカスの分析と実装」(叢&戸次大介 2014:2014年PPL発表賞を受賞)等の研究において結実しつつある。また一方で、研究期間を通して追究してきた「メタラムダ計算」の体系とその形式的性質、圏論的意味論、言語学的応用については、"Meta-Lambda Calculus and Linguistic Monads" (Bekki and Masuko (to appear))においてまとめることができた。これはbook sectionとしてSpringerから今年中に出版される予定である。なお、本研究が、copredication、名詞句連言、前提といった、2012度に説明対象として取り組んできた諸言語現象の問題と、モナドによって解決してきた諸問題の統一的分析となりうるかについては、今後の課題として残ったものの、ポジティブな見通しを得ている。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
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Formal Approaches to Semantics and Pragmatics
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第16回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL2014)論文集
Proceedings of the Tenth International Workshop on Logic and Engineering of Natural Language Semantics (LENLS10)
巻: - ページ: 56-68
巻: - ページ: 69-78
巻: - ページ: 96-106
Proceedings of the 51st Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics (ACL2013)
New Frontiers in Artificial Intelligence
巻: LNAI 7856 ページ: 17-24
巻: LNAI 7856 ページ: 41-52