研究期間の3年目であり最終年度である平成24年度は、研究計画の1年目、2年目に実施した対立染色体、対立遺伝子を考慮したゲノムマッピング法の結果を利用した解析手法の研究を行う。 本研究ではDNAシークエンサーから得られた大量の塩基配列データをゲノムにマッピングする際、対立遺伝子を考慮することによりマッピングの精度を向上させるための方法についての研究を行ってきた。この手法への入力とする実験資料としてcDNA(mRNA)のシークエンス結果(RNA-Seq)を与え、を対立染色体にマッピングする事により、対立遺伝子ごとの発現量を測定する事が可能となる。対立遺伝子ごとの発現量を用いる事により、遺伝子の発現量を用いた各種解析法の精度が向上すると考えている。そこで、本年度は本データを用いた各種解析、すなわちクラスタリング解析、発現制御解析、エピジュエネティック解析を実施 する。発現制御解析としては、遺伝子制御ネットワーク解析、微 分方程式を用いたシステムバイオロジー解析を行った。また、遺伝子制御ネットワーク解析手法としては、Relative Network解析手法、ベイズネットワーク解析手法を行った。なお、今年度は対立遺伝子の発現を考慮した新しい発現解 析手法を提案する事に主眼をおかず、基本的に従来手法を踏襲する事よって短時間に多くの業績を挙げる事を方針とした。
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