研究課題/領域番号 |
22680035
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研究機関 | 財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
設楽 浩志 財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術研究センター, 基盤技術研究職員 (90321885)
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キーワード | 遺伝学 / ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA |
研究概要 |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)量を制御するメカニズムについて解析するために、系統間における組織mtDNA量の測定をリアルタイムPCR法によって行なった。現在のところ、調べた組織において系統間でのmtDNA量に有意な差は観察されていない。一方で、条件によってはmtDNA量が変動する可能性を示す結果が得られており、現時点ですでに報告のあるmtDNA複製・転写に関わる遺伝子群の発現を中心に解析を試みている。また、組織間においてもmtDNA量に大きな差が認められたため、これらの変動の要因を検討するために網羅的な遺伝子発現の解析と、mtDNA量の変化とミトコンドリア生理機能の関係を調べるためにミトコンドリア活性測定を行なっている。 さらに、mtDNA量を制御する遺伝子について、条件的発現が可能となるような遺伝子改変マウスの作製を実施し、現在のところ複数のラインが得られている。これらのマウスについては発現パターンを確認中で、同時に凍結胚等による系統保存も開始した。さらに一部ラインについてはミトコンドリア可視化マウスとの交雑を行い、ミトコンドリア形態について画像解析を行なっている。前年度に引き続き、mtDNA量を制御しうるトランスジェニックマウス(Tg)マウスの開発も継続中で、皿tDNA量の増加が認められるTgマウスを用いて、変異型mtDNAをもつ個体においてその割合やミトコンドリア活性・動態に与える影響を調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って、mtDNA量を制御する可能性のある要因を幾つか特定し、またそれに関わる遺伝子については遺伝子改変マウスを樹立し、一部については個体レベルでの解析を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、mtDNA量を制御する可能性のある遺伝子についての遺伝子改変マウスの作製を行う。また必要に応じて、より多くの要因について検証を行なうために、すでに樹立されている遺伝子改変マウス等を他機関より導入する。これらのマウスにより、mtDNA量を制御するメカニズムについてオルガネラや細胞、組織、生体の様々なレベルにおける解析を行ない、遺伝的・生理的影響について検討する。
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