研究課題/領域番号 |
22680041
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三重 正和 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (40334528)
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キーワード | SNAP-tag / complementation / タンパク質間相互作用 |
研究概要 |
平成22年度の研究において、酵素タグとして利用するアルキルグアニン-DNAアルキルトランスフェラーゼ変異体(SNAP-tag)が、分割後も分割断片の近接により酵素活性を回復することを明らかにした。平成23年度は、この機能について更に詳細な検討を行った。動物細胞内において、分割断片に細胞内での局在を規定するシグナルペプチドを融合し、発現させたところ、酵素タグは細胞局所的に活性を回復することが明らかになった。また、SNAP-tagの変異体であるCLIP-tagにおいても、分割後の近接による活性回復が起こることを見出した。更には、これらの知見を組み合わせて細胞の二重ラべリングが可能であることを示した。この結果は、国際専門誌において発表した。 また、上記の研究と並行して細胞ターゲティング素子に関する研究を行った。ここでは分子認識素子としてDNAアプタマーを利用する可能性を考慮し、SNAP-tagタンパク質とDNA分子を簡便に結合させる方法としてファージ由来Gene Aタンパク質に着目した。Gene A タンパク質は、約20塩基のDNA配列を認識し、その末端と化学結合することが知られている。そこで、GFPとGene Aの融合タンパク質を構築し、融合タンパク質においても、その機能を発揮するかを検討した。その結果、Gene Aタンパク質は、融合後もDNA結合機能を保持し、その反応効率も非常に高いことを明らかにした。更には、これを利用して、新たな高感度アッセイ系を構築した。これらの結果は、国際専門誌において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定に比べ、分割SNAP-tagの活性評価に多くの時間を要した。そのため、申請書に記した当初計画に比べ、大きな遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは、細胞外から加えたリガンドを認識することにより分割SNAP-tagが近接するモデルシステムを用いた評価を行ってきた。今後は、細胞内分子を認識して分割SNAP-tagが近接するシステムを構築し、その機能評価を行ってゆく。
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