本研究の目的は、固形癌において、新しいチロシンキナーゼ(TK)融合遺伝子を同定する、ことにある。TK融合遺伝子は多くの場合がんの第一義的病因であり、多くの阻害剤が存在または開発中であるので、その発見はがんの診断および治療の革新的進歩に直結する。 探索システムは病理組織学をベースとしたユニークなものであり、現在、肺癌、乳癌、婦人科癌、腎癌、大腸癌で組織アレイの作成が完了しスクリーニングが進行している。 本年度は、新規融合遺伝子を2種の癌で発見した。ともにTK阻害剤の対象になると思われるが確認中である。 そのほかにTKではないが、本研究と同様のストラテジーにて低悪性度B細胞性リンパ腫における新規融合遺伝子を発見し、そのような症例が新疾患概念を形成する可能性を示した論文発表を行った。
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