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2011 年度 実績報告書

脳発達における環境化学物質の作用機序の解明と代替実験法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22681008
研究機関熊本大学

研究代表者

宮崎 航  熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (90512278)

キーワード脳発達 / 環境化学物質 / ダイオキシン / 神経 / 胎児影響
研究概要

本研究では、ダイオキシンをはじめとする環境化学物質の胎児期・授乳期曝露による影響について、特にin vivoで認められる変化が曝露のどの時期に、どういった作用点・メカニズムに基づくものかの解明を進めている。最終的には環境化学物質の脳発達影響を評価するためのin vitro代替実験法・スクリーニング法の確立を目指している。
平成23年度においては、作用時期の特定およびヒトでの曝露影響評価を見据え、ヒト胎児由来神経前駆細胞株を用いて研究を行った。この細胞は前駆細胞から各神経系細胞(神経、アストロサイト等)に分化誘導を行うことのできるもので、この分化期間に様々な用量の環境化学物質の曝露を行い、分化状態を定量リアルタイムPCR法、ウエスタンブロット法、免疫染色法を用いて評価した。その結果、ダイオキシン曝露により、グリア細胞マーカーの発現上昇が認められた。また、神経細胞マーカーに関しても変化が認められたが、用量特異的な変化が大きかったため、さらなる検証を進めている。以上のことからヒト由来細胞においても曝露影響を認めることができた。これまでのマウス初代培養細胞での研究との相違を比較し、さらに検証を進める。
前年度、ダイオキシン受容体AhRノックアウトマウスを用いてダイオキシン曝露実験および行動影響評価を進めたが、AhRノックアウトマウスの個体数が少なく、十分な検証を進めることができていない。今後は個体数の確保に関して対策を考慮し進めていく予定である。
また、ダイオキシン曝露影響と並行して、ビスフェノールAの胎児期曝露による行動への影響についてもIntelliCageを用いて検証し、その結果を現在国際誌へ投稿進備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究途中に東京大学から熊本大学に異動し、新たな研究室において研究設備・システムを立ち上げる必要があったため、研究遂行に若干の遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

上記のとおり、新たな研究室での設備やシステムの立ち上げがあったため遅れてしまった部分はあるが、研究環境はおおよそ整ったので、研究遂行の遅れを取り戻すとともに研究目標をしっかりと見据えながら研究を進める。また、東京大学の研究協力者とも緊密に連絡をとり、研究を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Automated test of behavioral flexibility in mice using a behavioral sequencing task in IntelliCage2011

    • 著者名/発表者名
      Endo T, et.al.
    • 雑誌名

      Behavioural Brain Research

      巻: 221 ページ: 172-181

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト胎児由来神経前駆細胞からの神経分化における鉛曝露の影響2012

    • 著者名/発表者名
      宮崎航
    • 学会等名
      日本衛生学会第82回学術総会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2012-03-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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