脳発達における環境化学物質の作用機序の解明と代替実験法の確立

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22681008
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 放射線・化学物質影響科学
• 研究機関: 熊本大学 (2011-2013); 東京大学 (2010)
• 研究代表者: 宮崎 航 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (90512278)
• 研究期間 (年度): 2010-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: 環境化学物質 / 脳発達

研究概要

本研究では、環境化学物質（ダイオキシンなど）の曝露が脳発達のどの時期に作用し、どの作用点・メカニズムに基づくものかの解明を目指しておこなった。さらに環境化学物質の脳発達影響へのin vitroでの代替実験法・スクリーニング法の確立に先立つ成果となることを念頭に研究を進めた。
ダイオキシンの作用機序の解明のため、マウス胎児脳から採取した神経細胞ならびにヒト胎児由来神経前駆細胞株の神経細胞分化過程の様々な期間にダイオキシン曝露を行い、神経分化および維持に関わるタンパクの発現変化を認めた。また動物実験を通じて、化学物質曝露による神経細胞におけるシナプスの減少や、行動の変化を見いだした。

研究成果

• [雑誌論文] Disruption of paired-associate learning in rat offspring perinatally exposed to dioxins (2014)
  • 著者名/発表者名: Kakeyama M, Endo T, Zhang Y, Miyazaki W, Tohyama C
  • 雑誌名: Arch Toxicol 巻: 88(3) ページ: 789-98
  • DOI: 10.1007/s00204-013-1161-y
  • 査読あり
• [雑誌論文] Automated test of behavioral flexibility in mice using a behavioral sequencing task in IntelliCage (2011)
  • 著者名/発表者名: Endo T, Maekawa F, Võikar V, Haijima A, Uemura Y, Zhang Y, Miyazaki W, Suyama S, Shimazaki K, Wolfer DP, Yada T, Tohyama C, Lipp HP, Kakeyama M
  • 雑誌名: Behav Brain Res 巻: 221(1) ページ: 172-81
  • DOI: 10.1016/j.bbr.2011.02.037
  • 査読あり
• [雑誌論文] In utero and lactational exposure to low doses of chlorinated and brominated dioxins induces deficits in the fear memory of male mice (2010)
  • 著者名/発表者名: Haijima A, Endo T, Zhang Y, Miyazaki W, Kakeyama M, Tohyama C
  • 雑誌名: Neurotoxicology 巻: 31(4) ページ: 385-90
  • DOI: 10.1016/j.neuro.2010.04.004
  • 査読あり
• [学会発表] ヒト胎児由来神経前駆細胞を用いた神経分化に置ける低用量ビスフェノールA の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 藤原悠基
  • 学会等名: 日本内分泌撹乱化学物質学会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2013-12-12
• [学会発表] 甲状腺ホルモン受容体を介する転写に置けるAhR, Arntの関与 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮崎航
  • 学会等名: 日本内分泌撹乱化学物質学会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2012-12-18
• [学会発表] ヒト胎児由来神経前駆細胞からの神経分化における鉛曝露の影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮崎航
  • 学会等名: 日本衛生学会第82回学術総会
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 2012-03-25
• [学会発表] Abnormal emotional behavior after maternal exposure to bisphenol A in mice detected by IntelliCage (2011)
  • 著者名/発表者名: Wataru Miyazaki, et al
  • 学会等名: Society of Toxicology
  • 発表場所: Washington D.C
  • 年月日: 2011-03-10
• [備考] ホームページ
  • URL: http://kumadai-publich.com