研究概要 |
「地形および市街地形状デジタルデータの整備と構築」 現在,市街地や複雑地形の形状を3次元デジタルデータとして取得し,流体シミュレーション(CFD)の入力データとして利用するには多大な労力が必要である.既存の市販データは極めて高価である.そこで,一般的に入手可能な既存の3次元デジタルデータ(DM, Degital-Mappingデータやレーザ測量機データなど)を取り込む手法をGIS技術と相互連携することにより開発した.また,各種衛星データの活用を検討するとともに,それらをCFDの入力データとして自動的に変換する技術を開発した.結果として,CFDの前処理の作業時間は,数日から数時間に大幅に短縮化することに成功した. 「研究シーズであるCFD技術(RIAM-COMPACT[○!R])の高精度化とさらなる改良」 種々の大気安定度(不安定時,安定時等)へ適用可能とした.流入気流条件,境界条件,地面境界条件などの精緻化を行った,デスクトップPC1台で迅速に動作させるため,最適な計算コードのチューニングを施し,GPGPUやマルチコア対応の計算コードを試作し,計算時間の短縮化に成功した.改良を加えた新しい計算ソルバーは,上記の実在都市や実在地形データを活用した計算に適用し,地形や地物の影響を強く受けた局所的な風況のシミュレーションに成功した. 「新しい可視化技術の開発」 Google Earthとは,航空写真や地図などを組み合わせて世界中の地理空間情報を閲覧することが出来る3次元地球儀ソフトである.インターネット環境があれば誰でも閲覧することが可能である,現在,全世界共通のビューワとして注目を集めている.このようなプラットホーム上に,流体シミュレーション(CFD)から出力される各計算値に緯度・経度などの位置情報を付加させ,一義的に決まる場所に即座に重ね合わせることに成功した.
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