研究概要 |
7~8月には、京都の友禅染作家及び伝統織物作家、和刺繍作家、沖縄の伝統織物作家、紅型染作家の工房、金沢の加賀友禅作家、仙台の伝統織物作家の工房を訪ね、日本の伝統的な染織技法とその工程について調査し、古日本染織の技法的特色に関する研究資料を収集した。 9月には、根津美術館に所蔵される東洋染織コレクションの一部を調査し、大正期から昭和初期に根津嘉一郎が蒐集したと考えられる古日本染織について調査・研究を行い、そのデータを集積した。 12月29日から1月3日にかけて、ニューヨークで調査を行った。メトロポリタン美術館で開催された東洋染織(古日本染織を含む)の展覧会「Interwoven Grobe; The worldwide Textile Trade, 1500-1800」を見学し、染織のコレクションと移動に関する最新の研究成果を調査した。また、ブルックリン美術館に所蔵される東洋染織コレクションの一部(古日本染織を含む)を調査し、その結果、主要な古日本染織コレクションが戦前に海外で活躍した日本の古美術商・山中商会から入手したものであることが判明した。 2月2日から9日にかけて、フランスで調査を行った。パリ・個人宅で所蔵される東洋染織コレクションの中から古日本染織コレクションの一部を調査した。その中に、日本の古美術商・野村正治郎が蒐集した古日本染織が1点含まれていた。また、リヨン染織美術館に所蔵される日本染織コレクションの一部を調査し、当館に所蔵される寄贈コレクションと同じコレクターであるアルセーヌ・アンリー氏が蒐集した古日本染織コレクションの内容について詳細に調査を行った。 以上の調査で得た写真及び調査内容はファイルメーカーに画像と連動させて入力し、今後の研究の基盤となるデータとした。
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