第1に、商法典という法典の成立に関する歴史的前提として、ヨーロッパにおける例を手掛かりに研究し、フランス及びドイツにおける商法典の成立、そしてスイスにおける債務法の成立について論文を執筆した。第2に、わが国の商法典に関する理論的な基礎を獲得できるか研究し、わが国における商法典制定の背景、および商法典から会社法が独立したことの意味について論文を執筆した。そして第3に、わが国の商法典に規定されている個別の取引類型について、商法典の理論的な基礎との関係でどのように評価できるか研究し、とりわけ商人の継続的売買契約、および倉庫寄託契約について論文を執筆した。
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