研究課題/領域番号 |
22683008
|
研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
竹内 規彦 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (40387569)
|
キーワード | 経営学 / 人的資源管理 / 組織行動 |
研究概要 |
平成24年度は、以下の研究活動を実施した。 (1)本調査質問紙の作成 本研究は「外部経営環境-経営戦略-人的資源管理(HRM)施策-従業員行動-組織成果」間の関連性、及び因果の連鎖を、国際比較の視点から縦断的に調査し明らかにしていくことを主要な課題としている。昨年度に行ったパイロット調査とその分析結果を踏まえ、質問項目・測定尺度の検討・修正を加え、本年度に実施予定の本調査質問紙を完成させた。(2)縦断的調査(第1回目)の実施 上記質問紙を用い、本調査が実施された。対象は従業員(ホワイトカラー)を中心であり、十分なサンプルを確保するため研究協力者と緊密な連携を行いながら調査を実施した。(3)調査データの分析 収集した調査データの分析作業が行われた。具体的には、企業の外部環境や産業特性と経営戦略との適合関係、外部環境と経営戦略との適合関係が、特定のHRM施策の実施に与える影響、HRMの諸施策が従業員の種々の行動/態度に与えるクロスレベルの影響等に関する分析を実施した。(4)研究成果の公表 研究成果の一部は、Academy of Management(AOM)、Academy of International Business(AIB),Association of Japanese Business Studies(AJBS),Association of Business-related Scientific Research(ABSR)、組織学会、経営行動科学学会等の各年次大会で報告された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年3月に発生した東日本大震災の影響で、本年度の前半は研究の進行にやや遅れが生じたものの、年度後半において、予定していた調査の実施、データ分析、成果公表を集中して行えたため、最終的には計画通り概ね順調な成果を挙げることができた。特に公表された2件の成果は、2つの国際学会(IHR Conference,ABSR Conference)にてBest Paper Awardを受賞するに至った。このように、本研究課題の成果が国際的に高く評価されたことは、本研究が着実な成果を挙げていることを示す一端として判断できるものと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題は実施から2ヵ年を経過しようとしているが、公表された成果の一部は国際的にも高く評価されつつあり、着実に結果を残しつつある。こうした中、次年度以降の2ヵ年においても、当初の計画通り順調に調査・研究活動を進めていくことで、更なる成果が期待できると考えている。特に次年度以降は、(1)縦断的調査の継続的実施に基づく良質なデータ収集、(2)既に海外に投稿したジャーナルの採択に向けた活動、ならびに(3)新規の研究成果の発信(ジャーナル投稿・研究発表・社会への還元)が重要な鍵となると考えている。したがって、これらの点を強く意識しつつ、当初の計画通り研究を推進していく方針である。
|