研究課題/領域番号 |
22683008
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹内 規彦 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (40387569)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 経営学 |
研究概要 |
平成24年度は、以下の研究活動を実施した。 ①本調査質問紙の修正 本研究は「外部経営環境―経営戦略―人的資源管理(HRM)施策―従業員行動―組織成果」間の関連性、及び因果の連鎖を、国際比較の視点から縦断的に調査し明らかにしていくことを主要な課題としている。昨年度に行った第1回本調査データの一時的な分析結果を踏まえ、質問項目・測定尺度に若干の修正を加えより精度の高い質問紙へと改訂した。 ②縦断的調査(第2回目)の実施 上記の改訂版質問紙を用い、第2回目の縦断調査が実施された。対象は従業員(ホワイトカラー)を中心であり、十分なサンプルを確保するため研究協力者と緊密な連携を行いながら調査を実施した。 ③調査データの分析 収集した調査データの分析作業が行われた。具体的には、企業の外部環境や産業特性と経営戦略との適合関係、外部環境と経営戦略との適合関係が、特定のHRM施策の実施に与える影響、HRMの諸施策が従業員の種々の行動/態度に与えるクロスレベルの影響等に関する分析を実施した。 ④研究成果の公表 研究成果の一部は、Academy of Management (AOM)、Academy of International Business (AIB)、Association of Japanese Business Studies (AJBS)、経営行動科学学会等の各年次大会で報告されるとともに、HRM分野で国際的に評価の高いInternational Journal of Human Resource Management誌(ISI SSCI登録雑誌)にも論文が掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた調査の実施、データ分析、成果公表を順調に行うことができた。年度途中に研究機関の異動(青山学院大学から早稲田大学へ)があったが、大きな中断もなく実施でき、計画通り概ね順調な成果を挙げることができたと考えている。特に公表された2件の成果は、2つの国際学会(Association of Japanese Business StudiesのワシントンD.C.大会、及びResearch, Production, and Management International Conference)にてBest Paper Awardを受賞するに至った。このように、本研究課題の成果が国際的に高く評価されたことは、本研究が着実な成果を挙げていることを示す一端として判断できるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は実施から3ヵ年を経過し、次年度(平成25年度)が最終年度となるが、公表された成果の一部は継続して国際的にも高く評価されており、着実に成果を残している。こうした中、次年度においても、当初の計画通り順調に調査・研究活動を進めていくことで、更なる成果が期待できると考えている。特に次年度は、(1)蓄積されたデータのより詳細な分析、(2)既に海外に投稿したジャーナルの採択に向けた活動、ならびに(3)新規の研究成果の発信(ジャーナル投稿・研究発表・社会への還元)が重要な鍵となると考えている。したがって、これらの点を強く意識しつつ、当初の計画通り研究を推進していく方針である。
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