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2012 年度 実績報告書

ブランド態度における感情の役割についての実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 22683009
研究機関上智大学

研究代表者

杉谷 陽子  上智大学, 経済学部, 准教授 (40514203)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードブランド / 感情 / 認知 / 態度 / 使用経験 / クチコミ / 愛着 / ブランドアタッチメント
研究概要

本研究の目的は、「強い」ブランド態度の構造を明らかにし、その構築のための戦略を提言することであった。前年度までの研究によって、消費者のブランドに対する評価は、「機能性」「憧れ」「愛着感」の3つの因子から成り、このうち、悪いクチコミなどのネガティブな情報を参照すると、「機能性」や「憧れ」に対する評価は低下してしまう一方、「愛着感」の評価はほとんど変わらないことが示された。
それではなぜ「愛着感」は「機能性」や「憧れ」の評価よりも頑健なのであろうか。「愛着感」とは自己とブランドとのつながりであり、他の評価に比較して、主観に依存するためであろうと本研究では予測した。「機能性」や「憧れ」は客観的事実や他者の評価によって支えられているため、新しい事実の提示や状況変化によって影響されやすい。一方、「愛着」は自らの個人的経験や感情に基づくがゆえに、周囲の評価とは独立なのだろう。実験では、未知のブランドの広告を見てブランド評価をする場合と、実際に商品の実物を使用してからブランド評価をする場合で、悪いクチコミを読んだ後の態度の持続性を比較した。その結果、直接経験を通じて「愛着感」を形成した消費者のみが悪いクチコミを読んでも態度変化を起こさないということが分かった。
上記の実験を含めた3年間にわたる一連の研究結果は、いずれも「愛着感」に基づくブランド態度の頑健性を明らかにしており、新規にブランドの構築を目指す場合、「機能性」や「憧れ」よりも「愛着感」の評価を高める戦略が有効であることが示された。また、その際には直接経験の場を提供することが重要であることも示唆された。
自己とブランドの心理的つながりが重要であること自体は、既存研究においても議論されてきているが、本研究の成果は、その主張を実験によって証明することに成功し、また、製品の使用経験が重要な要因であることを明らかにした点であろう。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 新規ブランド構築における感情の役割2013

    • 著者名/発表者名
      杉谷陽子
    • 雑誌名

      上智経済論集

      巻: 58 ページ: 289-298

  • [雑誌論文] ブランド態度の形成における感情の役割2012

    • 著者名/発表者名
      杉谷陽子
    • 雑誌名

      流通情報

      巻: 43 ページ: 14-21

  • [学会発表] 新規ブランド構築における消費者間コミュニケーションの効果

    • 著者名/発表者名
      杉谷陽子
    • 学会等名
      日本商業学会
    • 発表場所
      広島経済大学
  • [学会発表] 好意的態度はどのように導かれるか?:新規ブランド構築における認知と感情の役割

    • 著者名/発表者名
      杉谷陽子
    • 学会等名
      日本社会心理学会
    • 発表場所
      筑波大学
  • [学会発表] ブランド態度における感情的評価の役割: 悪い口コミによる態度変容プロセスに着目して

    • 著者名/発表者名
      杉谷陽子
    • 学会等名
      消費者行動コンファレンス
    • 発表場所
      関西学院大学
  • [学会発表] Direct experience and emotional attachment to brands: Protecting brands from the negative word of mouth opinion of Japanese consumers

    • 著者名/発表者名
      Yoko Sugitani
    • 学会等名
      Academy of Marketing Science
    • 発表場所
      Monash University
  • [図書] 朝倉書店2013

    • 著者名/発表者名
      杉本徹雄(編)
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      朝倉実践心理学講座
  • [図書] 福村出版2012

    • 著者名/発表者名
      杉本徹雄(編)
    • 総ページ数
      237
    • 出版者
      新・消費者理解のための心理学
  • [備考] 杉谷陽子研究室のホームページ

    • URL

      http://pweb.sophia.ac.jp/sugitani/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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