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2011 年度 実績報告書

統合失調症の家族心理教育に家族をつなげる効果的な家族アプローチ・システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22683013
研究機関日本社会事業大学

研究代表者

贄川 信幸  日本社会事業大学, 社会事業研究所, 特任准教授 (30536181)

キーワード家族支援 / 関係づくり / 統合失調症 / 精神科医療機関
研究概要

平成22年度に行った,精神科医療機関臨床スタッフの家族関与の実態に関する質的・量的調査の結果を踏まえ,平成23年度は,統合失調症をもつ人の家族に対する関係づくりと継続的な関わりを,精神科医療機関のシステムとして行うモデルを構築した。
モデル検討にあたり,統合失調症の家族心理教育に参加した経験を有する家族を対象に,実践家からの関わりの内容・時期等を問う半構造化面接を,追加で事前に行った。その結果,入院時は家族自身が混乱,不安,自責感を強く抱えており,家族心理教育のニーズの高い状態ではあるが,家族心理教育の紹介に対しては消極的な受け止めをしており,一定期間経過後に参加に関心が向けられている傾向が認められた。一方,参加意向が示されるまでの期間において,関係づくりや家族の否定的な心理状態に焦点を当てた実践家からの関わりは,発言に含まれなかった。
これらの知見に基づき,入院時・初診時における家族に焦点を当てた関わり,家族との関わり経過の情報共有,継続的な家族との関わり,関わりの中での家族心理教育の紹介,を家族関与に関する一連の流れを整理した。その上で,1)実施体制,2)関与機会,3)関与内容,4)関係づくりから家族心理教育へ,の4点を軸とする「家族との協働体制構築モデル(案)」を構築した。本モデル案の実施可能性を,実践家を交えて検討した(全国13精神科医療機関から27名参加)。検討の結果,4点の軸に含まれる実施要素の必要性,意義は概ね合意が得られたものの,関わりの実施体制の実施可能性は低く評価された。よって,家族との協働体制構築を行うための家族関与システムは,精神科医療機関の実情を踏まえて,より実施可能な体制を検討するとともに,実施体制構築を促進する具体的方略の検討の必要性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

モデル構築を行う前に,家族自身にとって有用な実践家の関わりを把握することの必要性が,実践家との対話の中で認識されたことから,家族に対する調査とその分析等を新たに加えて行ったため,当初の予定よりもやや遅れて進んでいる。

今後の研究の推進方策

当初予定していたモデル導入による介入期間を短縮し,短期間での変化に感度の高い指標を中心にアウトカムとしての設定を検討する。より長期的な効果は可能な範囲で測定し,モデルの効果指標に組み込む。モデル改訂を進めるとともに,モデル導入機関に対するサポートの密度を濃くすることで,モデルの実施を促進する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 統合失調症を持つ人の家族に対する精神科病院スタッフの関与の実態~半構造化面接による予備的検討~2011

    • 著者名/発表者名
      贄川信幸
    • 学会等名
      精神障害者リハビリテーション学会第19回京都大会
    • 発表場所
      佛教大学(京都市)
    • 年月日
      2011-11-13
  • [学会発表] プログラム評価の方法論を用いたサービスの構築と評価2011

    • 著者名/発表者名
      贄川信幸
    • 学会等名
      第53回日本老年社会科学会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(新宿区)
    • 年月日
      2011-06-17

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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