実世界には自律的なダイナミクスを示す様々な要素が存在する。特に、自律的なリズムを生成する非線形振動子は、物理、化学、生物、および各種の工学系に多くの例がある。周期外力を受けた振動子が外力に同期することや、相互作用する振動子間に相互同期が生じることはよく知られているが、近年、振動子に共通の確率的に揺らぐ外力を与えた場合にも、振動子間に同期やコヒーレンスが生じることが分かりつつある。本研究ではその生成メカニズムを数理的に解析した。特に、非線形振動子に対する位相縮約理論と呼ばれる手法を用いて、この現象が弱いノイズを受ける振動子において一般的に生じることや、そのための条件等について明らかにした。
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