研究課題
海底下の炭素循環の主役である原核生物の微生物生態に着目し、まず、海洋環境の光合成系と海底下の原核生物のエネルギー的なリンケージを証明するために、13C-海底現場培養法と13C-室内培養法による発展研究を進めた。一連のイソプレノイド合成系の化合物の新しい分子リサイクル過程の予察的実験に取り組んだ。次に、メタンハイドレート形成の主役であるメタン生成アーキアが、メタン生成するために必要な補酵素ファクター430 (F430)の分析方法の精度向上を行った。この分析法のアドバンテージは、メタン生成の一次情報としての補酵素分子レベルの多次元同位体比解析が可能になることである。この開発により、海底下でのメタン生成プロセスの「場」を評価することができるようになった。メタン生成の補酵素ファクター430に関する一連の分析方法(抽出、分離、精製、飛行時間型質量分析計)を「ちきゅう」で採取された下北沖海底堆積物試料へ応用し、メタン生成の「場」の一次証拠を得た。ドイツ・マックスプランク研究所(マールブルグ)との共同研究の一環として、本分析法の確度検証を行った。そのF430濃度の定量結果に基づいて、海底下100m以深のメタン生成菌の密度を推定したところ、全原核生物のうち約10%が、メタン生成菌であることを示した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Organic Geochemistry
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