研究課題
角度分解と同時にエネルギー分解が可能な結晶分光器システムの開発に成功した。パワーレーザー照射で生成された極超高圧炭素に対してフラッシュX線を入射させ、放出された散乱X線のスペクトルを取得するとともに、データ解析を進めた。これにより、生成された高エネルギー密度状態の炭素が自由電子を有する液体状態であることが明らかになった。同時に行われたレーザードップラー速度干渉計(VISAR)と可視域放射輝度温度計(SOP)による超高速観測の結果から、高エネルギー密度状態における炭素の熱力学量を高精度に決定し、衝撃圧力と温度がそれぞれ1TPa・10000 K超の領域であることが正確に決定され、また生成された状態が溶融したダイヤモンドの状態であることがわかった。弾性散乱と非弾性散乱X線の強度比を評価することで、溶融ダイヤモンドが予想以上の強結合性を有することがわかった。また、スペクトル形状と状態量をもとに第一原理シミュレーションを行うことで、そのミクロな構造が明らかになった。さらにダイナミクスを理解するためにフェムト秒領域の極短時間分解の超高速X線構造解析に向けて、新たな実験条件をデザインし、X線回折イメージングの予備実験を行い成功した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (44件) (うち招待講演 1件)
High Energy Density Physics
巻: Vol. 9, No. 2 ページ: pp. 243-246
10.1016/j.hedp.2013.01.003
Phys. Plasmas
巻: Vol. 20, No. 12 ページ: pp.122703_1-10
10.1063/1.4840375