研究代表者がこれまでに見出したホウ素との分子内配位結合形成によるアゾベンゼンの蛍光特性の発現という知見をもとに、アゾ化合物やイミン化合物の特性や反応性をフル活用して機能性物質の開発を目的とする研究を行った。その結果、(1)種々の置換基の導入による蛍光性ホウ素置換アゾベンゼンの蛍光量子収率の調節、(2)蛍光発光原理の解明、(3)二つのホウ素置換基を有するアゾベンゼンの合成による多彩な色調での蛍光発光の実現、(4)プロトン・電子・シアン化物イオンによる蛍光挙動のスイッチングとセンサーへの応用、(5)ケイ素置換アゾベンゼンの合成による発光と異性化の両立という基礎化学的に重要な知見を得た。
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