研究課題
金属ハライドイオンや単核錯イオンを用いたイオン液体は多数報告されているが、高次機能性、例えば磁気秩序や外場に応答した磁性変化を示すイオン液体を系統的に開発するためには、多核錯イオンもしくは金属含有ナノ構造体(ナノ粒子、ナノワイヤー、ナノシートなど)を用いて、金属原子間磁気相互作用を利用することが最も有効だと考えている。本年度では、室温強磁性、エレクトロクロミズム、磁性光スイッチング、セシウム吸着能など多彩な機能性を示すことが知られている代表的なシアノ架橋型金属錯体であるプルシアンブルーのナノ粒子を用いた高次機能性液体の開発を推進した。例えば、粒径10 nm以下のプルシアンブルーナノ粒子を合成し、(poly(vinylpyrrolidine)やtetraethyl orthosilicateを用いてナノ粒子表面を被覆した後に)trialkoxysilyl基を有する長鎖陽イオンを用いてナノ粒子表面にシロキサンネットワークを構築し、最後に塩化物陰イオンを長鎖アルキル基含有スルホン酸陰イオンとイオン交換する、など様々な手法を試みた。前年度、負電荷を有する金属酸化物ナノシートを用いることにより多機能性粘弾性ナノコンポジットの開発が可能であることを見出した。この開発研究をより効率的に推進するためにはナノシートの簡便な合成手法の開発が鍵であるが、本年度では新たな金属酸化物ナノシートのone-pot合成法について重要な知見を得た。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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