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2010 年度 実績報告書

新規蛍光強度増大型プローブによる細胞内蛋白質標識法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22685016
研究機関大阪大学

研究代表者

堀 雄一郎  大阪大学, 工学研究科, 助教 (00444563)

キーワードPYP / タグ蛋白質 / 蛍光強度増大 / 桂皮酸誘導体 / クマリン誘導体 / 蛋白質標識 / 蛍光プローブ
研究概要

蛋白質の蛍光標識は、細胞内の蛋白質の動態・局在・機能を明らかにする極めて有用な方法である。近年、蛋白質の蛍光標識法として、特定のリガンドに結合する蛋白質(タグ蛋白質)を利用した手法が注目を集めている。この手法では、目的蛋白質にタグ蛋白質を融合させ、リガンドにつないだ蛍光色素をプローブとして目的蛋白質を蛍光標識する。タグ蛋白質標識法の利点は、プローブの蛍光色素として様々な化合物が利用可能であるということと、標識のタイミングをコントロールできることである。一方、既存の標識法には、遊離したプローブと蛋白質に標識されたプローブの蛍光を区別できない、特異性が低い、タグ蛋白質のサイズが大きいなどの問題点が知られている。
これらの問題点を解決する第一歩として、紅色硫黄細菌由来の蛋白質Photoactive Yellow Protein(PYP)をタグ蛋白質として、蛍光強度増大型プローブ及び長波長蛍光プローブの創製を行なった。PYPは、125アミノ酸からなる小蛋白質であり、クマリン誘導体および桂皮酸誘導体と結合することが知られている。まず、蛍光強度増大型のプローブとして、フルオレセインをクマリン誘導体に結合させたFCTPを創製した。FCTPは、PYP非存在下では、フルオレセインとクマリンが分子内会合して消光しており、PYPと結合するとその分子内会合が解消され、蛍光強度を回復させる。FCTPを用いることにより、特異的に細胞膜上のPYPを標識することに成功した。次に、桂皮酸誘導体にローダミン誘導体をつないだプローブの設計を行なった。このプローブとPYPを反応させ、電気泳動解析を行なった結果、安定に標識されることが確認された。以上の結果から、PYPをタグ蛋白質とすることで、蛍光波長及び蛍光スイッチの観点から、汎用性の高い蛋白質標識の基盤枝術の開発に成功したといえる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] 合成蛍光プローブによるタンパク質ラベル化法の開発2011

    • 著者名/発表者名
      堀雄一郎
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 83 ページ: 135-139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multicolor Protein Labeling in Living Cells Using Mutant β-Lactamase-Tag Technology2010

    • 著者名/発表者名
      Shuji Watanabe
    • 雑誌名

      Bioconjugate Chemistry

      巻: 21 ページ: 2320-2326

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Photocontrolled Compound Release System Using Caged Antimicrobial Peptide2010

    • 著者名/発表者名
      Shin Mizukami
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 132 ページ: 9524-9525

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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