研究課題
ダイナミックモードAFMでは、カンチレバーの励振にしばしば圧電素子が用いられるが、液中ではカンチレバーのQ値が低いために、溶液セルの機械振動の誘発や、カンチレバー/ホルダー界面の振動伝達関数の影響から、スプリアス(余計な)ピークが現れる。これにより、カンチレバーの見かけ上のQ値が向上してしまい、保存力と散逸力の分離が困難となるだけでなく、それぞれの定量的計測を妨げることが明らかとなった。この影響について、理論的に解析し、実験結果と一致することを確認した。また、カンチレバーに理想的な周波数応答特性を持たせるよう、強度変調レーザ光を用いた光熱励振系を構築した。光てこ変位検出系の赤色レーザと波長の異なる青紫色レーザ(405nm)を強度変調し、カンチレバーに照射することで、背面が金属コートされていないカンチレバーでも1nm以上の振幅が得られることを確認した。また、背面が金属されていないカンチレバーでは、断面形状が台形型のカンチレバーにおいて、大きな励振効率が得られることを見いだし、励振効率とレーザ照射位置との関係を理論的に解析し、実験結果と一致することを確認した。一方、カンチレバーと導電性基板との間に交流電圧を印加することで、水溶液中でカンチレバーを励振することでも、理想的な周波数応答特性が得られることを見いだした。また、低周波領域では表面張力が、高周波では静電気力がそれぞれ支配的な励振メカニズムであることを示した。
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