研究課題/領域番号 |
22686011
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
増田 開 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (80303907)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | プラズマ / イオンビーム / 核融合 / 慣性静電閉じ込め / 空間電荷効果 / マグネトロン放電 / 核融合反応計測 / 放電シミュレーション |
研究概要 |
本年度は以下の2項目を実施した.なお,以下の(d)(e)(f)などの記号は,応募時の研究計画・方法に記載の実施項目区分. (e) 大電流での実験を可能として,電流への非線形依存性を利用した核融合反応率の向上を図ると共に,より空間電荷効果が顕著となると予想される動作領域での実験を可能とすることを目的に,本提案新方式IECの特徴である環状イオン源の大電流化の研究を進めた.具体的には,本装置の動作圧力である数mPaの重水素圧力下で動作可能な熱電子放出電極材料について,複数の候補材料の試験を行い,タングステン・ディスペンサー陰極(WDC)を選定した.次にこのWDCを実際に環状イオン源に設置し,熱電子を供給することでマグネトロン放電電流を増加させることに成功した. (f) 本研究では,核融合反応率の電流依存性の1乗から2乗への遷移を支配しているメカニズムを理解し,本新方式IEC装置においてのみ見られたこの新奇な非線形依存性を利用して何処までの核融合反応率向上が得られるのかの予測を示すことを最終目標としている.そのため,本年度はこれまでに行ってきた核融合反応空間密度分布計測等の実験結果について,開発した数値解析コードによる解析を進めて,実験・解析データの蓄積を行うとともに,実験と解析の比較を通じて必要なコード改良を進めてモデルの高度化を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験パラメータを拡大するためのイオン源の大電流化に期待以上の成果が得られている.計測技術開発については,電位分布計測についてはやや遅れが生じているが,核融合分布計測技術開発は計画通りに進行しており,核融合反応率の電流依存性の1乗から2乗への遷移を支配しているメカニズムを理解するという当初目標に極めて有用な実験データが得られている.また,やはり並行して計画している数値解析コードの開発と実験結果解析については,計画通り順調に進行している.
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今後の研究の推進方策 |
上記(e)の成果を発展させ,複数の熱陰極を環状イオン源に設置することで,実験装置の動作範囲をより大電流領域に拡大して実験を行い,これまでに本計画で開発してきた計測技術を適用して,核融合反応率の空間分布等のイオン電流依存性を明らかにする.これらの実験結果と,数値シミュレーション結果との比較を通じて,本新方式IEC装置においてのみ見られる電流の2乗に比例した核融合反応率のメカニズムと,この非線形現象を利用した核融合反応率向上の理論的上限を考察する.
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