研究概要 |
本研究の最終目標は,放電加工機能を有する複数の昆虫型管内自走マイクロロボットを開発し,各ロボットに自らが走行する管路自体を自らが行う放電穴加工により形成させながら工作物内を自由に運動させることによって,高自由度・長距離・小径の曲がり穴を複数同時に創成することが可能なデスクトップかつポータブルな加工システムを構築することである.したがって,本研究の具体的な目的は,曲がり穴放電加工用昆虫型管内自走マイクロロボットの開発,および,それらのロボット群による高自由度・長距離小径曲がり穴放電加工システムの確立となる.本年度は前者について研究を行った.具体的には,曲がり穴放電加工用昆虫型管内自走マイクロロボットは,自律的放電加工ユニット,管内自走ユニット,方向制御ユニットから構成されており,特に,管内自走ユニットと方向制御ユニットについての研究開発を行い,以下に示す成果を得た. 1.管内自走ユニットについては,設計と製作および検証を繰り返し行い,その設計と製作のノウハウを得た.また,「方向制御ユニットについては,概念的な設計を行った. 2.管内自走ユニットに利用するアクチュエータに,加工ぐずが含有する放電加工液中で使用が可能であることなど,特殊な環境において動作できなければならない.このような条件を満たすアクチュエータとして,形状記憶合金および圧電素子を候補とし,その両者を利用した管内自走ユニットを設計,製作した. 3.形状記憶合金および圧電素子を利用して設計,製作した管内自走ユニットを実際に加工くずが含有する放電加工液中で動作させたところ,所望の性能を発現させることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011(平成23)年1月1日付にて,研究代表者は大阪大学から徳島大学に異動した.異動先の徳島大学においては,研究室自体や研究を遂行するための環境をゼロから構築しなければならなかったため,思いのほか,研究遂行に費やす時間が制限されてしまった.
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